何がしたいのか・・・
何ができるのか・・・
事務所経歴や実績を問われる際に「得意な建築」を聞かれる場合がある。
ひねくれ者のような答えだが、僕はこの質問が一番せつない・・・
一級建築士事務所を開設している以上その資格の名のもとに建築を創造する立場として
用途、構造、規模を問わず職能を発揮すべきであるのが当然だと思っている。
さらに設計・監理及び企画やマネージメントに至る能力もオールラウンドな間口を持つべきである。
聞かれる趣旨は実績、信用、安心感の確認の意味と理解するのだが・・・
このブログの説明にも「住宅、診療所を
多く手掛ける」
と表現する通り、実績の8割は住宅、診療所である。
修行時代からいわゆる事務所ビルや集合住宅、病院、学校の設計に携わりながらも
独立後につきまとうジレンマの末、個人事務所規模での受注案件は
「お友達、親戚関係のおうちの設計」から・・・ということになる。
住宅ほど難しい建築はない・・・
都市のスケールに対してあくまでも個としてそれぞれの家族の理想像、人生観を表現される集大成的な建築が住宅である。
資格学校で設計製図を講義していると、「住宅設計が専業なのでこんな何千㎡なんてスケール感が違う建築の計画は難しい、一部屋200㎡のホールなんて住宅1軒分じゃないですか・・・」とか
大手建設会社でビルやマンション設計していながら「住宅ってわかんないんだよな、何畳なんて感覚がイマイチ・・・イメージは伝えるから俺の家設計してくれよ」なんて苦笑いしながら実際に依頼されたこともあるのだが・・・・
エキスパートとしての能力、プライドは尊敬しつつも建築空間の創造手法や知識にちがいはあれ、
むしろどんな建築でもその要求、コンセプトに対する方程式を解く楽しさ、喜びを感じられるからこそ
「
建築設計」やってるんじゃないのかな・・・

先日、プレゼンした建築パース・・・
第21回フォトコンテスト 旭化成建材株式会社主催
- 2009/10/20(火) 06:15:34|
- 依頼からの流れ
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はじめまして、ブログのタイトルに惹かれて足跡から飛んで来てしまいました(^^;)
もう15年以上前ですが在来型木造住宅のCADオペレータをしておりまして、理数嫌いの割には今まで経験した職の中で一番心に残ってる仕事でした。
土木設計をしている主人からは「たかがオペレータ」や「設計図面描けないくせに」などと馬鹿にされて、悔しい思いもしましたが(苦笑)
建築は奥が深いですよね、手が空いてる時に役所への申請に同行したことがありますが【日影図】など
という物もあり、ただ単に建物を造るだけでなく、色々と細かいのだなと感じました。
現場見学なども良く行きましたが、こんなことまで配慮しまくてはいけないのか、と毎回驚かされてばかりです。
実は建築パースが描きたくてその当時はCADから学び出したというのがあり、記事にアップされたパース
を拝見して、つい懐かしくて一方的に書いてしまい、申し訳ありません。
これからも素敵な住宅を手掛けてください。
- 2009/11/02(月) 13:48:01 |
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- るな #iL.3UmOo
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