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一級建築士事務所 赤沼政志建築設計室 「業務報告!」

住宅、診療所を多く手掛ける仙台の一級建築士事務所です。 建築設計業務を通しての喜怒哀楽を綴ります。

違いのわかる・・・

今回はさらに長文です。
先日、ある問い合わせ相談があり、改めて明確にしておきたいと思った事。
現在、住宅メーカー数社検討中で、さらに設計事務所へも提案検討してもらいたい、というものだった。
その判断、ニーズとして家づくりの方法にはあり、それぞれ長所、短所がある。
当然、ふまえての検討依頼かと思っていたが、結果的に、まわりくどいが、設計事務所の存在意義においてまでの説明をせざるを得なくなり、同時に設計事務所の業務内容の周知および営業力の弱さを感じることがあった。
当事務所は1案目に要望の基本整理と提案のオリジナリティを感覚的につかんでいただき、2案目で方向修正または精度向上の提案、という2案を提示し、この設計者であればいいモノをつくってくれるか、という判断を頂く。
そこから設計者としてのプライド、時間を依頼者へ捧げる確約をするのが設計監理委託契約であり、その時点で予算に応じた工事費枠の想定と設計料の算定ということになる。
問題はそこである。
「設計は気に入りました、さすが設計事務所さんですね、いままでの案にはない発想、展開力が伝わりました。で、これはいくらで出来ますか、見積書と仕様書を下さい、他の住宅メーカーと検討、比較しますので。ところで赤沼設計さんはいつも坪いくらくらいの住宅なんですか。」
・・・・これを読んでいる同業の方にも恥ずかしいが、ヤッてしまった、説明不足?
こと、今更ながら住宅メーカー、工務店との違い、設計事務所の業務の流れ、ポリシーの理解を前提とした説明を油汗をにじませながら・・・必死で・・
 余談だが、同級会、同窓会などでよく言われるのだが、イメージとして建築設計事務所、一級建築士というと「大工さんになったの」、「現場監督とかするの」とか「製図とか書く人だよね」といわれる事も多く、説明に必死となることが事実として多い。
最近でこそ、TV、マスコミなどで建築士、建築家というカテゴリー情報も多く、むしろ「建築デザイナー」とか「建築家だね、最近よく色んな建築家がTVとか雑誌にもでてるよね、同業者でしょ」とかいわれることも増えてきたが、これはこれでありがたくも気恥ずかしいと共に私の「建築家」像はもっと崇高な人間、などという素直に受け入れることも出来ない気難しい自分がいる・・・。
建築設計事務所の認知度はまだ・・・
 話は戻るが、正直いって最近の住宅メーカーの設計力、デザイン提案力はそんじょそこらのパズルゲーム的なプラン慣れした設計事務所以上であると感じる。
私も住宅メーカーの依頼でプラン提案することがあるのだが、競合も企業ブランドというよりもバックについている設計事務所同士の提案競技という感覚に近い。
また、メディアのおかげで勉強され、イメージ豊かな要望、可能性の追求を秘めて住宅展示場を廻られ、比較検討される依頼者も多くなっている。
従来の規格商品を売るという住宅メーカーのスタイルはほぼ無くなっているように感じる。
むしろ、住宅メーカーは規格商品だろ、こっちは設計のプロだからね、などとあぐらをかいている設計者は淘汰されていく・・・
そこに輪をかけてQ値、C値、耐震性、工法、保証、ブランド実績、見積り、値引き、素敵な写真集のようなカタログ仕様書・・・
一生一度の大事業を手掛ける依頼者にとっては早い時期からの全体像の把握は安心、信頼感がある・・・。
しかし、設計事務所の立場で言うならば、ここがデメリットとなり、家づくりのスタイルを判断するポイントである。
性能面に関していえば、性能は当然仕様や材料のほか、間取りによっても異なり、求められる性能値の数値レベルの判断と感覚尺度の判断として、どのレベルを求めるかという詳細な対応に対して標準仕様が設定されることは方法論、対応性としての枠がある前提。
また、耐震性、工法もしかり、各メーカーのブランドポリシーのもとに工法メリットばかりがそれぞれアピールされるが、建築空間を創り出す方法はいくらもあり、場合によっては混構造という選択検討もあるはずがその材料、工法が前提条件。
さらにカタログ仕様書は無から創り出す建築の選択検討、提案の巾を妨げることが多い、それ以外の仕様、デザイン要望は「オプション」なんてことになる。
本来、無から生み出す空間創造は純粋に望まれる仕様が全てで、必然である・・・
最後に見積りに関して、平面図と立面図で見積り、工事金額を算出し、さらには値引きというのは設計事務所として疑問を感じる大きな温度差の部分である。
「線一本で工事金額が変わる」という設計図書を作成する側としては詳細図面によるイメージ、技術の伝達がいいモノを創るために必要であり、同時に品質、工事費的にも協力意識の高い工事業者への見積り要請と設計のすり合わせ、検討の上、依頼者の資金枠内で理想の建築をめざし工事業者のモチベーションを確保した設計としなければならない。
さらに工事進行中においても設計の検討、確認が随時行われる。
最初から値引きが何パーセントあるとか最後にフタをあけたら増額オプションだらけなどというのは理解しがたいのである。
 だから、本当に必要で実現可能なイメージ追求を素直に取り組む家づくりを考えるのであれば設計事務所への相談は適していると思う。
あえてこの出来事を長く書いたのも、今は私に委託契約いただいたクライアントとの上記の説明、やりとりの上で、「そういうことなら最初から設計事務所に決めたのに、もっと設計事務所が何する所か宣伝しないとダメだよ」とのお言葉に促され、素直に書いちゃいました。
業界的に敵対的な意図はありませんので・・・
  1. 2006/12/25(月) 13:45:36|
  2. 出来事を通じて考えた事
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プロフィール

代表 赤沼政志

Author:代表 赤沼政志
一級建築士事務所
赤沼政志建築設計室

仙台市泉区南光台4丁目  
5-2  サンパルコ201号
TEL022-796-0801
FAX022-796-0802


(略歴)
1967:岩手県花巻市出身
1985:専修大学北上
高等学校建築科卒業
(ラグビー部所属)
1989:東北工業大学
工学部 建築学科卒業
(ラグビー部所属)
1998:事務所開設


(趣味)
 小型船舶操縦
 模型作り
 カクテル作り


(音楽)
 VIKTOR LAZLO
 ANITA BAKER
 CARL ANDERSON
 DAN FOGELBERG
 MICHAEL SCHENKER

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